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アデルの恋の物語 (Histoire d'Adele H., L' / The Story Of Adele H.)
(リージョン1&字幕:英語、フランス語、スペイン語)


文豪Victor Hugoの次女で、詩人であり音楽家でもあったAdeleの日記を基にした作品。時は1863年、英国領Guernseyに暮らす両親の元を離れ、Adeleは愛する英国軍中尉Albert Pinsonを追ってカナダのHalifaxに1人降り立った。Saunders夫人の下宿に身を寄せたAdeleは翌日公証人を訪ね、Pinson中尉の調査を依頼。Saunders氏が英国軍のパーティーに出席すると知ったAdeleはPinson中尉への手紙を託すが返事はない。
両親の元へPinson中尉との「愛」を切々と綴った手紙を送るAdele。父から送金された生活資金を銀行で受け取る。そんな中突然Pinson中尉が下宿を訪ねて来る。突然の事に動揺しつつ急いで着替えたAdeleは中尉に愛を確かめるものの、Pinson中尉の心にAdeleは既にない。
中尉への思いをひたすら書き綴り、彼の気持ちを取り戻す為のAdeleの行動は次第に常軌を逸して、大雪の中本屋へ紙を買いに行き店を出た所で精神的過労で倒れてしまう。若くして溺死した姉の悪夢を観続け、そして中尉との愛が叶わない彼女は精神的にどんどん追い詰められる。嘘で塗り固められたAdeleの結婚の承諾を請う手紙に父は遂に中尉との結婚を了承する。その承諾書を手にAdeleは男装してパーティーに潜入し、中尉に結婚を迫るが、やはり冷たくあしらわれる。
やがて「Pinson中尉とAdeleの結婚」が新聞で報じられる。その事で中尉は上官に呼び出されてしまい、中尉はAdeleの父へ手紙を出す。Adeleの嘘が全てバレてしまったのだ。病気の母の為にも帰宅する様に、と父はAdeleに手紙を出すが、彼女は帰宅を拒絶する。
益々狂気じみるAdeleの行動…娼婦を中尉の元に送り届ける、催眠術の力(=インチキ)で中尉の気持ちを取り戻そうと催眠術師に交渉する。そしてひたすらその思いを綴り続ける…。新聞で中尉の婚約を知ったAdeleは、相手の女性の自宅に乗り込み、「中尉の子を身篭っている」と女性の父に嘘をついて迄その結婚を阻止しようと試みる。
生活費が底をつき、Saunders夫人の下宿を出るAdele。夫人には両親の元へ帰ると嘘をついたが、そのままHalifaxに居座る。馬車の御者に紹介された「お金がかからない場所」に滞在しながら。破れたドレスのまま町を彷徨う姿を中尉や本屋の店主に目撃されてしまう。新聞には母の死と、中尉の隊がBarbados島へ移動するという告知が載っていた。
そのBarbados島にボロボロのAdeleが居た。彼女が「Pinson夫人」と名乗って滞在しているという情報は新婚の中尉にもたらされる。町を彷徨うAdeleの前に中尉が現れても、彼女の目にもはや彼の姿は映らなかった…。



簡単に言えば「文豪の娘のストーカー話」なのですが、AdeleをIsabelle Adjaniが演じている点がポイント。多くの方々がおっしゃる様に、彼女がAdeleを演じなくても果たしてこの映画が美しく見えたかは大いに疑問。ただ美しく、可愛いだけの女優だったら、この映画で観る事が出来る「迫り来るもの」は期待出来ません。

それにしても、19世紀に若い女性が1人で海を渡るというのは、現代で言えば宇宙へ行くのに等しい「冒険」だった筈。しかも知り合いが「今は愛してくれない人」しか居ない土地へ何のあてもなく乗り込むその逞しさと一途さはある意味羨ましいです。父親が文豪で金銭的援助を期待出来たからこそ実現出来た事ではあるものの、肉体的にも精神的にも強くなければ…精神は病んだけれど、彼女は80歳過ぎ迄生きていた様なので体は丈夫だったのは間違いないでしょう。

そんなAdeleにひたすら追い回されるPinson中尉をBruce様が演じています。この映画は台詞の殆どがフランス語。Bruce様のフランス語は「完璧」です。フランス語を母国語とする人々にどう聞こえるのかは分かりませんが…。そして劇中ずっと制服で隙の1つもありません。STILL CRAZYのキャスト紹介でリンクしているあの萌え(笑)写真がこの劇中の1ショットなのです。凛としたそのお姿に惚れ惚れしますねぇ…(萌)。

1つ疑問…Pinson中尉の写真を入れて飾っている「扉付きの家具?」は日本人の目には仏壇にしか見えないのですが、あれは一体何なのでしょう?花を飾ってろうそくに火を灯して、なんてモロに「お参り」と同じじゃないですか(爆)?